アワビ貝スプーン |
夜光貝、ツノと並んで湖のトラウト用スプーンとして定番のアワビ無垢の貝スプーンを作ります。夜光貝に比べても、ものすごく派手な光沢を放ちます。
好みとしてはとちらかというと夜光貝派ですが、貝が薄いので、加工はずっと楽です。小さな貝だと、薄すぎて、表面の汚い層が多くルアーに残ったり、ねじれの無い綺麗な切り出しがしにくく、とにかく大きな貝を仕入れたいところです。 |
自作アワビ貝スプーン |
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材料・道具 |
- アワビ貝殻 \色々。ネットや近所のおすし屋さんなどで入手
- 真鍮金属管 3.0mmx0.5mmx1m(外径3mm,内径2mm) \210
- ディスクグラインダー + 固定治具
- ミニルーター + フレキシブルシャフト
- ダイヤモンドカッター、ダイヤモンドサンダー、ダイヤモンドビット、ルーター用丸のこ
- 研磨用耐水ペーバー各番手
- 研磨剤(品名ピカールなど)
- 粉塵対策用マスク、ゴーグル
- クリアラッカー
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製作 |
アワビの切り出し
アワビの殻は比較的薄いので初めから狙ったサイズと形で切り出していきます。表面が汚れていることも多く、綺麗な部分が見つけにくければ、グラインダーであらかじめ表面を清掃しておきます。
アワビの貝殻を横長に置き、水平方向にルアーと取る横取り、垂直方向に取る縦取りがあり、縦取りが一般的だそうです。それぞれ光の反射方向が異なり、特徴をもっているようですが、それ以前に、ねじれが無い綺麗な形を取るほうを優先します。ルアーがねじれると、トローリングやリトリーブでのときにルアーが回転してしまいます。ねじれ、凸凹、穴の無い綺麗な場所を探し、なおかつ光の方向が目的どおりならベストです。
貝殻にマジックで目安を書き込み、ダイヤモンドカッターを付けたグラインダーやミニルータで切り抜いていきます。ミニルータでも十分切れます。
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外形の切り出し
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外形成形・表面研磨
全体のフォルム、カーブを削っていき、厚みを調整します。また表裏の面の研磨を大まかに済ませておきます。
完全にねじれがない部分であれ全体に平均的な厚みを出せば良いですが、少しでもねじれていれば、厚みの調整でねじれを減らしていきます。もともと殻が薄いので、厚みを利用したねじれ調整が結構大変です。
よほど良質な殻で無い限り、真珠層ではない表面の汚い部分が少し残りますが、あまり気にする必要は無いと思います。写真の貝はかなり大きいほうで、仕上げ時にはほとんど真珠層だけに出来ました。
アイの加工
スプリットリングを取り付けるための穴をダイヤモンドビットで前後に開けます。真鍮管がちょうど入る程度の大きさにします。キリ状のダイヤモンドビットを押し付けるとすぐに開きます。一旦開通したら、あとは慎重に、ちょうど真鍮管が通るサイズに穴を広げます。穴が広すぎると、真鍮管が抜けやすくなります。
穴の位置があまり中に入りすぎると、最後にスプリットリングが通せなくなりますので要注意です。また端に近すぎると割れてしまう可能性もあります。割れたとしても、少し小さくなりますが、もう一度外周を成形して作り直します。なお、端から穴までの距離は、仕上げ成形に調整できます。
貝の厚みとだいたい同じ長さで真鍮管を輪切りカットし、穴に入れ、瞬間接着剤をたらします。
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外形の切り出し

アイの穴あけ
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仕上げ成形
ここまででほとんど成形されていますが、最終的な仕上げ成形と研磨を行います。アイ周辺の幅の調整、側面のカーブ調整などを行います。真鍮管のわずかなでっばりも小さなダイヤモンドサンダーで削り落とすことができますが、長時間ゴリゴリやると熱で瞬間接着剤が剥げ、真鍮管が抜け落ちますので、一気に削ります。
仕上げ研磨
耐水ペーパーで光沢を出していきます。いきなり1000番くらいでもだいじょうぶだと思います。最後に、ピカールなどの金属研磨剤で最終的な光沢を出し、研磨工程を終了します。
塗装
クリアラッカーで保護塗装します。光沢だけで言うと塗装は不要ではないかと思います。塗装せず、表面のツヤが無くなって来たら再研磨という方法でも良いかもしれません。 |

金属研磨剤・ピカール |
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完成
スプリットリングを前後に付け、後方にフックをつけて完成。 |

完成 |
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感想 |
先述のとおり夜光貝を使用することが多いので、製作はあまりやりませんが、いつもタックルボックスに入っている程度には作っています。
夜光貝と同じく、粉塵や騒音、怪我に注意して作る必要があります。研磨は大丈夫ですが、切り出しや成形過程は非常に危険であるため、子供には遠慮してもらいます。
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