青物乗合船 相模国野外育児記~海釣り編・相模湾、東京湾の釣り

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青物乗合船(ルアーキャスティング、ジギング、カッタクリ)
相模湾では、初夏から秋にかけて、ワカシ、イナダ、シイラ、カツオ、メジマグロ(ホンマグロの子)を狙うルアーキャスティングの乗合船、青物狙いのジギング乗合船が人気です。シイラやカツオとなると中学生くらいにならないと体力や安全面で厳しいかもしれませんが、ワカシ・イナダ・サバ狙いだと小学生でも十分いけます。

相模湾では、青物狙いのカッタクリという疑似餌の釣りが盛んで、シイラ以外は釣りものや時期などがルアーと共通しています。

ルアー専門乗合船、カッタクリ乗合船の船宿が相模湾沿岸にはたくさんあります。カツオ、イナダのカッタクリ釣りにルアー釣りで同船させてもらえるところも有ります。
カツオの若魚
変な写真しかなくてスミマセン
乗合船だと一人10,000円前後の料金がかかり、子供は割引もありますがそれでも全員合計でかなりの出費となりますが、他の船釣り同様、プロが魚のいるところまで連れて行ってくれますので、確率の高い釣りになります。今一つ本命が渋いときでも、食べれば抜群にうまいサバのお土産作りをさせてくれたりします。

最近は、ライトルアーという名前でお手軽ルアー釣りの乗合船ができ、人気のようです。別名サバ船と呼んでるブログもありましたが、サバ、ソーダガツオ、カマス、タチウオといった比較的小さめの対象魚を、ライトタックルのトップやライトジギングで狙える乗合船です。こちらは4,000円前後と格安で、やや時間が短めですが当たり外れの比較的少ない船釣りが楽しめます。子連れならベストの選択かもしれません。

高活性の群れにうまく当たると本当に爆釣するのがこの釣りです。家族だけでは食べきれず近所に配っても配りきれないくらい釣れることもあります。もちろんその逆も有ります。海の乗合船の釣りはゴマンとあり、陸釣りや淡水の釣りと違って釣果もグッと実績が上がりますが、出費もグッと上がります。我家の船釣りはほとんどが、ボリューム満点でコストパフォーマンスの高い(気がする)この青物釣りです。子供が大きくなればお勧めしたい釣りです。
ルアーキャスティング、ジギング
表層の魚であるシイラや、メジマグロ・カツオなどの表層に出たナブラを狙うトップの釣りと、中下層の青物のジギングでは釣り方もタックルも異なる別の釣りです。乗り合い船もそれぞれの目的を持って出船しますが、トップに反応が良いときと、下層に魚がいるときとで切り替えて狙うこともあります。

ポッパーやペンシルなどの表層で使用するルアーや、ミノー・ジグミノーなど水面下を攻めるルアーを群れに向けてキャスティングします。 狭い船内で大勢が一斉にキャスティングしますので、基本的にはオーバーヘッドではなくアンダーハンドでキャスティングする必要があります。

ジギングは数十~数百グラムの重いメタルジグを超高速で垂直リトリーブする釣りで、同様にジギングロッドが必要です。

ジグがタナまで沈んだら、ジャーキング(しゃくり上げ)とリーリングで逃げる小魚を演出します。念のため、とあまり深くジグを沈めると魚まで沈んでしまうため、タナを確認してからジグを沈めます。カラーのPEラインはタナ取りに便利です。

ジグには前方にアシストフックをつけることが多いです。それで安心ではなくて、フックやジグの大きさもヒット率の大小につながりますので、色、サイズ、形、フックの、できるだけいろんな組み合わせパターンを用意してヒットパターンをつかむと釣果につながります。
ジグミノー、ポッパー

メタルジグとアシストフック
ロッド
シイラ、カツオ、メジマグロ狙いのキャスティングでは、船上で扱いやすい、短くパワーのある専用のルアーキャスティングロッドが必要です。

ワカシ・イナダ・サバあたりの中小物だとシーバスロッドなどが兼用できなくもありませんが、重めのメタルジグには厳しいです。また隣人とオマツリしないようさっさと取り込む必要があるため、魚のパワーに十分対抗できるロッドである必要があります。また頻繁にバラすと群れを散らしてしまったりするので、これを満たすロッドとしっかりしたラインシステムを組む必要があります。長いロッドは船上では扱いにくく、6-7フィート前後が中心になります。

逆にパワーのあるジギングロッドで軽いジグをジャーキングすると、糸ふけが出来たときにラインがガイドに絡むことがあります。要は、許容範囲内でバランスが取れる組み合わせが必要です。

リール
リールも同様で、4000-8000番台の大きめのスピニングリールが必要です。専用ロッドやリールが準備できない場合は、船宿でレンタルすればOKです。500円-1000円位で借りることが出来ます。

フック
市販のプラグ、メタルジグにはほぼ全てバーブ(かえし)付きのトレブルフック(3本いかり針)が付いていますが、バーブレス・シングルフックに付け替える方も多いです。フッキング率が向上し、ばらしの確率もさほど上がらないか、むしろ下がってばらしにくくなるという説もあります。

ロッドの硬さ、ラインの伸び、フッキングの入れ方などの方がフックそのものより影響が大きいと感じますが、それでもフックの選択は工夫のし甲斐のあるところです。

安全面を考えるとバーブレス・シングルフックに付け替えることをお勧めします。また、乗合船独自のレギュレーションとしてバーブレス・シングルフックを義務付けていることが多く、現場では間に合いませんので。事前に確認しておく必要があります。
ライトルアー船のタックル
中・小物狙いのライトルアー乗り合いでは、バスタックル、トラウトタックルの使用を勧めています。リールも1000-3000番程度のスピニングか、ベイトタックルでもOKです。あまりパワーは必要ないので、ジャーク時の高速巻取りがしやすいスピニングの方が私は好みです。

うまく浮いた群に当たればトップのゲームもできますが、主にライトジギングの釣りになります。トップウォーター系のルアーと、メタルジグの両方を用意します。メタルジグは20g~80g程度が勧められています。ライトタックルで良いとは言え、数十グラムのジグといえば普通キャスティングでは使えないくらい重いルアーです。バス・トラウトタックルでも、ある程度のパワーのあるロッドの方が安心して釣りができます。ロッドパワーに比べてジグが軽いとラインのガイドがらみが生じやすかったり、逆にジグが重いとジャーキングによるアクションがうまく付けられないなど、釣果に響く事態になりますので、ロッドとメタルジグのバランスもとても大事です。現場でも大体のところは掴めますので、やはりジグの種類は多目にしておくと有利です。

ライトルアー船のターゲットはあまりジグの色や形にセレクティブではない気がしますが、周りを見ながら釣るとなんとなくヒットルアーの傾向が見えてきますので、自分の釣果も含めてジグの選択を合わせていきます。
サバ、ワカシ、カマス、タチウオなどが主なターゲットですので、ラインも1-2号位のPEで十分ですが、思わぬ大物が来ることもありますし、タチウオ、カマスは歯が鋭くハリスが傷つきやすいので、12-20ポンドくらいの太目のリーダーをつけることが多いです。これらギザギザ歯系の対象魚の場合、いつの間にかジグが消えていることもありますので、時々リーダーの先をチェックする必要があります。少しでも傷ついていたら、迷わず交換(先を切り詰め)するほうが良いです。

青物は船上で大暴れします。タチウオやカマスは鋭い歯を持っています。何れも、フックを外すときはプライヤーなどを使い、怪我をしないよう注意する必要があります。
鋭い牙のカマス
味は絶品
ジグ交換のためにリーダーの先にはスナップを付けます。トラウトなどはスナップの大きさにも結構気を使いますが、ジギングの場合は大きめのしっかりしたヤツを使っています。
カッタクリ
カッタクリ釣りとは、サビキの針を大きくしたようなバケという疑似餌針と、ステンレスのコマセ缶(ステン缶)を使う手釣りの一種です。味わいの有る相模湾伝統の釣りです。
バケ(擬餌針)
バケはハリスも含めて仕掛けのセットで販売されています。バケはサバ、ナマズ、フグなどの厚い魚皮で出来ていて、フックのチモトにカブラという金属や貝製のヘッドが付いています。使用する前に海水に漬けておき、水になじませてから使用します。

カツオやメジマグロなどは、一気に取り込むことのできる太目のハリスを使用します。ワカシクラスやサバなら、細めのハリスと、ウイリーというカラー繊維の擬餌針を使った仕掛けも使われます。当日の状況で使い分けられるように大物仕掛けから小物仕掛けまでいくつか用意しておくと良いと思います。
バケ(擬餌針)
ライン
ラインは手釣り用の太いテトロン糸を使用します。専用のカラー糸が糸巻きとセットで販売されています。

手釣りですので、糸で指の皮がむけないように指ゴムをつけます。ゴム製や、ネオプレン製などがありますが、200円くらいで買えます。

テトロン道糸

指ゴム

ステン缶
ステン缶はステンレスで出来た大きなコマセ缶で、太いワイヤの天秤とセットになっています。右の写真では、右側(ハリス側)にクッションゴムが入れてあります。

ステン缶は長さ15cmくらいの大きさがあり、また鉛が仕込んであるため重く、錘の役割も果たします。ここにオキアミやイワシミンチのコマセを入れ蓋を閉めます。ステン缶に空いた5mmほどの穴からコマセが流れ出て行きます。

ステン缶

仕掛けを投入後タナまでおろし、左手で斜め右上にラインをしゃくり上げ、頂点で右手に持ち替え、左手はもう一度左下方のラインを握りしゃくり上げる、という動作を繰り返します。両手で富士山の斜面を描くかっこうになります。魚が食いつくと、左手にガツンと衝撃が走ります。あとは一気に手繰り上げます。

ラインやステン缶も船宿で借りることができます。頻繁に出かけるようになるまでは、消耗品以外は全部借りてしまってもいいと思います。我家では道具は人数分そろえて有りますが、青物は殆どルアーになってしまっています。
釣り場
相模湾一帯にルアー、カッタクリの出来る船宿があります。我家がお世話になっているのは主に江ノ島、平塚、小田原早川の釣り船です。季節になるとWebに情報がたくさん出回りますので、目星をつけたら事前に予約の電話を入れます。ネット予約OKの釣り宿さんもあります。

サバ狙いのライトルアー船は今のところ平塚・浅八丸と江ノ島・島きち丸があるようで、我家では最近島きち丸で出かけてみましたが、これからもっと増えていくかもしれません。
その他
クーラーボックス
たとえ本命にめぐり合えずサバだけが土産だったとしても、30cm、40cmといった食べ甲斐がある魚がたくさん釣れますので、ちょっと大き目かなというくらいのクーラーボックスをお勧めします。

生き締め
青物は釣れたら是非生き締めしましょう。よく言われる方法は、エラの上部からナイフを入れて、背骨の神経と動脈を切断し、血抜きをします。また尾の付け根の細いところの動脈を切断します。クーラーに入れる前に海水を入れたバケツ内で血を出し、死んだらクーラーの潮氷につけて冷却します。以上は受け売りですが、やはり味が格段に違います(気がします)。

なお、船宿によってはバケツ内での血抜きが禁止されていることもあるので、そのときはクーラー内で血抜きすることになります。面倒なら、エラを引きちぎるだけでも良いと思います。

潮氷
出船前に船宿でブロック氷やバラ氷を分けてもらいますが、到着後、氷の入ったクーラーボックスに現場でたっぷり海水を入れて”潮氷”という状態にしておきます。生き締めした魚を急速冷却し、鮮度を保つ方法だそうです。氷にそのまま魚を放り込むと、氷に触れた部分が焼けたような状態になったり、触れていない部分が悪くなったりする可能性があります。

逆に、帰宅してすぐに捌いて食べる場合は、潮氷でカチカチに締めない方がいいといわれる方もおられます。この場合は、魚体が氷に触れないように、濡らした新聞紙などに包んでクーラーに入れると良いようです。

安全確保
ルアー、特にキャスティングは、子供はもちろん大人にも危険性が伴います。船宿のルールがない場合でも、フックをバーブレス・シングルフックに付け替えることをお勧めします。帽子、グローブやサングラスなど、フックから身を守る服装も必要です。特に、狭い船内で大勢の釣り人が一斉に高活性になるルアー釣りは非常に危険です。人のルアーが飛んでくることもあるし、巻き上げすぎてルアーが水面から飛び出したり、魚がフックアウトした反動でルアーがぶっ飛んでくることもあります。

また釣り上げた後、、バタバタビビビビと暴れまわる青物から太いフックを外すときもかなり危険で、大きめのプライヤーが必要です。100円ショップのプライヤーでも大丈夫ですが、釣具店の専用品なら錆びにくく安心です。

料理
イナダやカンパチ、メジならなんと言っても刺身、カツオならたたき、サバならしめ鯖、カマスやタチウオなら塩焼き、あたりが定番ですが、レシピサイトがたくさんありますので検索してみてください。普通の万能包丁一本でも何とかなりますが、出刃包丁があると早くきれいに捌けます。

食味の点で、我家の一番のお気に入りは、サバ塩とカマスの干物です。ライトルアー船を除くとお土産・外道系ですが、味は小さな青物などよりずっと旨いです。カマスはライトルアー船でサバが見当たらないときのターゲットですが、釣れるときはかなりたくさん釣れ、また1週間くらいは日持ちがしますので、まとめて干物にすると何回分かたらふく食べることができます。頭の片側だけをエラ部分で背骨まで切り、背開きで腹の皮を残して切り開き、エラ、血合い、内蔵をきれいに取ると、よく見るカマスの干物の形が出来上がります。アジなら逆にお腹から開きます。5-7%くらいの塩水(カップ1の水に塩大匙1)に10分間漬け、あとは冷蔵庫で一日置くと一夜干しの出来上がりです。ラップなどはせずにざるに入れ、また汁が垂れるため下に皿などを敷いて冷蔵庫に入れます。冷蔵庫ではなく日干しができるなら理想的です。

最近近所のスーパーでも見かける脱水シート(製品名ピチットシートなど)を使うと、日干しをしなくてもよく乾燥し、また積み重ねが出来るので冷蔵庫内の場所もとらずに作ることが出来ます。たまにやらせると、子供たちも結構喜んで料理してくれます。





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